「もりのへなそうる」で、まず、癖になるのが弟の言葉です。「たまご」は「たがも」。「ぴすとる」は「しょっぴる」。おそらく、子供たちに読み聞かせをすると絶対にマネをするでしょう。なぜなら、これがひたすら繰り返されるのですから。
物語は兄と弟の冒険です。でも、「エルマーの冒険」のような壮大さはありません。冒険といっても近くの裏山です。どことなく頼りなげに見えます。この、ほのぼのとした感じが、たまらなくイイです。
大きな「たがも」も出てきます。恐竜らしき動物がうまれますが、それほど大変な空気がありません。ここでも相変わらず、のんびりしています。ふつうなら、ドキドキするような展開があるのでしょう。ほとんど、ありません。
あとはサンドイッチです。冒険に行く前におかあさんがつくってくれます。イチゴにハチミツをいっぱいかけたサンドイッチです。美味しそうですね。物語なんてどうでもよくなって欲しくなります。実際につくってもらった方も多くいるはずです。
「もりのへなそうる」は子どもの目から見た、小さな冒険の物語だと思います。子どもがもつ好奇心がこちらにも伝わってきます。ぜひ、サンドイッチをもって「もりのへなそうる」を読んでみてください。